りんご風呂

冬の温泉というのは格別で、湯に浸かる僅か数十分の間にも様々なインスピレーションが降りてくるものである。なかでも、長野県小諸市に宿を構える明治31年創業の中棚荘の湯は群を抜いている。かの島崎藤村が愛した宿としても著名な中棚荘の温泉は、「初恋りんご風呂」。無論、島崎藤村の作品『初恋』にちなんだ命名だが、文字通り、りんごが浴槽に浮かんでいるのである。湯枕に頭をかけて湯に浸かっていると、ほのかに漂うりんごの香りが僕の五感を刺激する。湧き上がる“りんご的インスピレーション”。GO TO 2011!