2011-10-31

JFN: 井口耕二さんとの対談


先月10月5日に56年の生涯を閉じた、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ。3年にわたり本人が唯一取材に全面協力した公式評伝が、世界同時発売の『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』。講談社から出版の本書を書店で目にした方々も多いだろうが、既に上巻が発売されており、明日11/1には待望の下巻が発売される。その全二巻の日本語訳を務められたのが、翻訳家の井口耕二さん。これまでも『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』や『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』など、ジョブズ本の翻訳を手がけられてきた御方である。下巻発売前日の今日、井口さんをゲストに迎え、USTREAMによるリアルタイム配信とともに、11/19, 26と2週にわたって全国31のFM局で放送されるJFN『ON THE WAY ジャーナル WEEKEND』の対談パーソナリティとして番組を収録させて頂いた。

世界同時発売日程が急遽前倒しになる中で超短期間のうちに日本語訳が実現されたのは、偏にジョブズの思考への深い理解と極めて高い翻訳技術をもつ井口さんの力量によるところが大きい。この度の翻訳は、井口さんにとっても集大成的な位置づけだったという。本書が出版された経緯、イチオシの読みどころ、翻訳家から見たジョブズの凄みなど、井口さんが語る秘話は是非オンエアにてお楽しみ頂きたい。ただ、番外編として印象に残っているのは、「ジョブズの人生は、『事実は小説よりも奇なり』という言葉そのものですね」という井口さんの言葉である。それとともに、世界に数々のイノベーションを引き起こしてきたジョブズの原点には、常に“自分が本当にすきなことをやり続けること”が息づいていることが非常に印象深い。スタンフォード大学の卒業式のスピーチが再び思い起こされた。

2011-10-29

青葉区まちづくりシナリオ提案@東京大学


東京大学の都市持続再生学チーム(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)で、郊外都市としての横浜市青葉区まちづくり提案シナリオを本郷キャンパスで発表。当プロジェクトは青葉区との連携で実現したもので、4チームに分かれて約1ヶ月の短期集中検討を行い、それぞれのまちづくりシナリオを構築した。各チームは当該まちづくり分野に専門知見をもつ実務家メンバーで構成され、交通・住宅・緑地・公園・環境など様々な専門的見地からのディスカッションを経て初期的なシナリオを導出。自身は主として戦略・経営のファンクションで参画し、メンバーで議論しながら現状分析・コンセプト設計・シナリオ策定・実現性検討などを進めてきた。短期集中ながらも各チームで初期的な提案内容がまとまり、本日のチーム別プレゼンテーションに漕ぎ着けた次第である。

各チームの検討シナリオには、味わい深い着眼点が内包されていた。我々のチームが提案したコンセプトは、「良縁まちづくり構想」。少子高齢化が進展する社会構造の中で住民同士の相互扶助が重要になることを意識したもので、人と人の良縁的な関係性をデザインするという着眼点を取り入れた。この観点から設計した2つのシナリオが、「Twitter型まちづくり」と「Facebook型まちづくり」。すなわち、「興味関心で人と緩く繋がる青葉区」と「生活エリアで人と深く繋がる青葉区」という切り口。それぞれを実現するために、交通・住宅・緑地・公園・産業 etcを深堀して、実現に向けたロードマップに落とし込んだ。無論、初期的検討にとどまる段階だが、少子高齢化が進展する課題先進国・日本のまちづくりとして、今回の切り口での郊外都市検討は更なる詳細化を進める価値が見出された。

2011-10-26

Inter FM: 第一商品CMナレーション


Inter FMの天王洲スタジオにて、11/6(日)20:30-22:00の特番『第一商品 presents GOLD RUSH』内で放送される第一商品のラジオCMナレーションを収録させて頂いた。カントリーを聴きながら金融学を学べる90分という非常にユニークな特番で、番組ゲストには、株式や外国為替などの個人投資家でも知られる爆風スランプのサンプラザ中野くんも登場。カントリーナンバーとともに金融トークが繰り広げられる番組の合間に、今回収録したCMがオンエアされる。番組スタッフのみなさんの演出を頂いてCM自体は高級感あるテイストに仕上がっており、11/6日曜夜に首都圏でお耳にかかれる予定。ここ数年はTV-CMナレーションの機会が多かったが、音声だけでどこまで表現できるかという意味ではラジオCMナレーションは味わい深い。飽くなき表現追求は続く。

2011-10-25

高萩市教育長とのICT教育談義@慶応SFC


慶應SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)が推進する地域情報化研究コンソーシアムの教育分科会の取組で、本日はコンソーシアム参加自治体である茨城県高萩市から菅波教育長と阿部主幹をキャンパスにお迎えした。当コンソーシアムでは、全国の地方自治体における政策課題を解決する手段としてのICT利活用を研究しており、全国各地の首長が主体的に参画する形で研究機関としての大学がプロジェクトを運営している。自身は上席訪問所員としてコンソーシアムの教育分科会を担当させて頂いており、端的には「地方自治体 x ICT x 教育」の先端研究を進めている。今回のご招待は、先月、高萩市に足を運んで進めさせて頂いたディスカッションの続編。教育におけるICT利活用イメージの共有も兼ねて、SFCで行われている遠隔中継授業などを視察頂きながら、高萩市との連携可能性の議論を進展させた。

ブレストを進めながら浮き彫りになりつつあるのは、教育ビジョン実現手段としてのICTという考え方の重要性。日本の学校教育分野では過去10年近くICTの利活用が謳われてきたが、“○○を実現するために”という肝心なビジョンの議論が希薄であった経緯があると見られる。目的がなければ、単に手段に翻弄されるだけになってしまう。シンプルながらも本質的な着眼点。その観点で、高萩市には学校教育で「こんな子供を育てたい」という明確なビジョンがある。教育ビジョンを実現する上での一つの有効な手段としてICTを捉えて議論を進めることにより、新たな活路が見出される手応えを感じる。そして、何より、高萩市の草間市長は教育に対する深い理解があり、菅波教育長は学校教育の改善に人一番の情熱をもっている。大学のリソースをフル活用しながら今後の取組を支援させて頂ければ幸いである。

2011-10-16

SFC Radio Navigator Contest 2011


慶應SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の秋祭でSFCラジオナビゲーターコンテスト2011最終選が開催され、審査員として参加させて頂いた。昨年8年ぶりに復活したラジオDJコンテストで、学生団体の音像工房&R20による運営とDJ事務所FM BIRDの協力によって今年も継続実施。今年は5人のファイナリストが最終選に出場し、特設ステージ上でオリジナル番組を披露した。コンテスト審査員は、J-WAVE編成局制作部プロデューサーの桐山直人さん、DJ事務所FM BIRD社長の長倉シュタッフ牧子さん、事務所所属パーソナリティの自分の3人。昨年のコンテスト受賞者の田野香澄さんによるMCとともに、次々と個性的なファイナリストが番組を繰り広げ、非常にエキサイティングな時間となった。

コンテストというのは、参加する人も応援する人も運営する人もワクワクする特別な機会。確かに最終選そのものは数時間にも満たぬ間に完結するものの、そこに至るまでには半年以上の時間がかけられており、そのプロセスで様々なドラマが生まれる。自分は大学2年の20歳のときに初めてエントリーしたZIP-FMのミュージックナビゲーターコンテストで頂いた受賞をきっかけとして、より深く表現を探求する道を広げさせて頂いた。以後、経験を重ねれば重ねるほど表現活動の奥深さを感じ、飽くなき探求が面白くチャレンジの連続。そのような扉を開くきっかけを与えてくれるのがコンテスト。今回の機会を通じて様々な人に様々な形の扉が開かれたことを想像すると、そこに生まれた無数のドラマが目に浮かぶ。

2011-10-13

ハワード・シュルツ会長との対談@宮城県名取市


水曜夜に仙台入りして、木曜早朝に名取市へ。東日本大震災にて甚大な被害を受けた当地は、3.11から半年以上経過した今も津波の爪痕を深く残していた。閖上地区に佇む小高い日和山の富士主姫神社から一面見渡すと、目に入ってくるのは流された家々の定礎跡。やはり震災前の町並みはイメージし難い。名取市の被災状況はテレビ等の報道で目にしていたものの、実際に現場に立って目にする360度パノラマの光景には、カメラや文字を通じては伝えきれない重みがある。この半年、自身は、スターバックス、キヤノン、松下政経塾の連携による復興支援プロジェクト「道のカフェ」のプロジェクト設計を通じて活動してきたが、こうして現場入りを重ねる度に自分なりの復興支援への関わり方について意志を新たにしている。


今日、名取市の富士主姫神社を訪ねたのは、スターバックスのハワード・シュルツ会長へのインタビュー。現在、復興支援プロジェクト「道のカフェ」では、オープンカフェづくりを通じたコミュニティ再構築のご支援とともに全国に向けて被災地の現状をお伝えしたいと考えており、急遽来日の決まったハワード・シュルツ会長にメッセージを頂けることになった。この小高い神社の境内で、スターバックス会長のハワード・シュルツさん、スターバックスインターナショナル社長のジョン・カルバーさん、スターバックスジャパン社長の関根純さん、そして、道のカフェの立ち上げからずっと一緒に活動させて頂いているスターバックス巌真一宏さんと合流。被災地を視察されたシュルツ会長から日本全国へのメッセージを頂戴した。


これは、先日の道のカフェの開催において日本全国に向けた情報発信としてご協力を頂いた、JFN系列の全国ネットFMラジオ番組 "ON THE WAY ジャーナル WEEKEND featuring 道のカフェ” の収録・編集のタイミングで偶然にも今回の来日がピタリと重なり、被災地そして日本全国のみなさんに向けたシュルツ会長からのメッセージを是非とも頂戴できればと急遽の合流が実現したという運びである。その貴重なメッセージは、10/29(土)朝5:30-6:00に全国31局ネットでJFN系列のFM局にて放送の予定。復興への道のりは長い。しかし、歩いたところに道はできていく。東北と全国をカフェでつなぎ、復興への道を切り拓く「道のカフェ」。震災から半年経った今、更なるアクションが求められている。そして、道は続く。

2011-10-03

道のカフェで考える復興への道@気仙沼&陸前高田


東京から一ノ関に入ってスタッフ全員が結集し、チャーターバスで気仙沼へ。10/1-2の2日間にわたって開催する「道のカフェ」が幕を開けた。道のカフェは、スターバックス、キヤノン、松下政経塾の連携によって初夏に発足した復興支援プロジェクトで、震災後の生活を送られている皆様がオープンスペースでコーヒーを飲みながら対話できるカフェ空間を創出することにより、コミュニティーづくりを支援させて頂く取組である。フォトジャーナリストのみなさん、日本プライマリケア連合学会のみなさんの特別協力を頂きながら、道のカフェでは写真撮影&贈呈企画やヘルスチェック企画を実施。コーヒーを飲みながら落ち着いて話をしつつ、ご家族やご友人と一緒に写真撮影やヘルスチェックも…。そんな場づくりで地域再生に少しでもお役に立てればという想いが、僕たちの取組の原点にある。

道のカフェは、単なる一過性のイベントではない。地域コミュニティで道のカフェを開催したいと立ち上がって下さった地域リーダーのみなさんと一緒につくっていく中長期の恊働プロジェクト。つまり、開催自体は一日イベントではあっても、実はカフェ準備から実施後のフォローまで長い期間を通じて育む対話プロセスこそが、信頼関係を築いていくコミュニティーづくりなのである。それは、地域内外の“繋がりづくり”と言ってもよい。事実、10/1の道のカフェ@気仙沼では地域リーダーの武田雄高さんと松下政経塾現役塾生の杉島理一郎さん、10/2の道のカフェ@陸前高田では仮設住宅自治会長の金野光悦さん&佐藤一男さん、陸前高田高校・前校長の戸羽茂先生がそれぞれの開催をリードして下さり、我々プロジェクトチームと恊働して数ヶ月にわたる準備の中で地域内外のつながりを作ってきた。


道のカフェ@気仙沼は、ゲストハウスアーバンという式場の庭で開催された。震災時には川津波で瓦礫の山になってしまっていた当地が、地域の皆様の懸命なる活動を通じて半年経った今はカフェ開催が可能な状態までに。敷地内にはスターバックス号を中心にパラソル・机・椅子が設置され、あっという間に素敵な空間となった。開催時間前から長蛇の列ができ、結局、1時間の延長。多くの皆様に道のカフェを味わって頂けたことが嬉しい。道のカフェ@陸前高田は、夏開催から継続して米崎中学校仮設住宅敷地内で開催された。温かい日差しが降り注ぐカフェ空間で、偶然に久しぶりの再会を果たして喜ぶ声が聞こえる。いずれの開催会場でも、地域のボランティアスタッフのみなさんはスターバックスのグリーンのエプロンをつけて、自ら率先して一緒に道のカフェ空間を作って下さっていた。

さて、今回の秋開催にあたっては、道のカフェのもう一つの目的でもある、被災地を忘れないために現状を伝えていく「全国への情報発信」にも力を入れてきた。道のカフェのプロジェクトサイトを設置しての情報発信もその一つ。そして、今回は自分が日頃お世話になっているFMラジオ局の全国ネットワークであるJFNさんの多大なるご協力を頂き、全国ネットのFMラジオ番組『ON THE WAYジャーナル WEEKEND』の特別企画として、道のカフェを舞台に様々な方々へインタビューして被災地の今を伝える機会を頂いた。カフェ会場で自身はパーソナリティとしてインタビュー役を務め、気仙沼では衆議院議員の小野寺五典さん、気仙沼市長の菅原茂さん、地域リーダーの武田雄高さん、陸前高田では市長の戸羽太さん、副市長の久保田崇さん、仮設住宅自治会長の佐藤一男さんにお話を伺った。


今回の取材をまとめたJFN『ON THE WAY ジャーナル WEEKEND featuring 道のカフェ』は、10/15, 22, 29の3週にわたって放送予定。詳細はオンエアに譲りたいが、カフェ会場にお越しになっていた地域の皆様への多数のインタビューを通じて、自身も改めて深く考えさせられた。震災から半年経って仮設住宅での生活は回り始めているとはいえ、職という経済基盤や仮設住宅の期限満了後の生活拠点など、現実的な課題は極めて重い。さらには、自治会組織が機能している地域はまだ良いにせよ、そもそも自治会が体を為していない部落も多数存在しているという事実。地域の皆様へのインタビューを通じて浮き上がってきた切実なる声が忘れられない。一方で、この現実の中で前進していかなければならないのもまた事実。前向きに考えるきっかけとしてのカフェ空間は、一つの希望の形になり得るのかもしれない。