高萩市教育長とのICT教育談義@慶応SFC


慶應SFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)が推進する地域情報化研究コンソーシアムの教育分科会の取組で、本日はコンソーシアム参加自治体である茨城県高萩市から菅波教育長と阿部主幹をキャンパスにお迎えした。当コンソーシアムでは、全国の地方自治体における政策課題を解決する手段としてのICT利活用を研究しており、全国各地の首長が主体的に参画する形で研究機関としての大学がプロジェクトを運営している。自身は上席訪問所員としてコンソーシアムの教育分科会を担当させて頂いており、端的には「地方自治体 x ICT x 教育」の先端研究を進めている。今回のご招待は、先月、高萩市に足を運んで進めさせて頂いたディスカッションの続編。教育におけるICT利活用イメージの共有も兼ねて、SFCで行われている遠隔中継授業などを視察頂きながら、高萩市との連携可能性の議論を進展させた。

ブレストを進めながら浮き彫りになりつつあるのは、教育ビジョン実現手段としてのICTという考え方の重要性。日本の学校教育分野では過去10年近くICTの利活用が謳われてきたが、“○○を実現するために”という肝心なビジョンの議論が希薄であった経緯があると見られる。目的がなければ、単に手段に翻弄されるだけになってしまう。シンプルながらも本質的な着眼点。その観点で、高萩市には学校教育で「こんな子供を育てたい」という明確なビジョンがある。教育ビジョンを実現する上での一つの有効な手段としてICTを捉えて議論を進めることにより、新たな活路が見出される手応えを感じる。そして、何より、高萩市の草間市長は教育に対する深い理解があり、菅波教育長は学校教育の改善に人一番の情熱をもっている。大学のリソースをフル活用しながら今後の取組を支援させて頂ければ幸いである。