2012-03-24

大盛況!道のカフェ@気仙沼大島


昨年初夏に企業連携体制で立ち上げた「道のカフェ」もシーズン4へ。昨年末から新規フィールド設計の調整に入り、地道な立ち上げ準備を経て、道のカフェ@気仙沼大島の実施に漕ぎ着けた。金曜に一関に前乗りしてチームメンバー8名と合流し、翌朝に早々と車で気仙沼に移動した後、気仙沼カウンターパートの武田雄高さんと合流。港からフェリーで大島へ渡航して、早速、チームでカフェ会場へと向かった。今回、カフェを設置したのは、島の中心街に位置するスーパーコックス併設の駐車場敷地内。島民の皆様が足を運びやすい、地域コミュニティの結節点。事前の口コミ効果もあって、「道のカフェ」には開店前から長蛇の列が出現した。


道のカフェ」は、単なる炊き出しではなく、カフェという空間を通じて地域コミュニティの再生をご支援させて頂くことにプロジェクト設計上の特徴がある。勿論、いつもパーフェクトにワークするわけではないが、島民の皆様がカフェ空間でスターバックスのVIAラテを飲みながら話を弾ませている様子を見ると、ささやからながらも復興の道のりに彩りを加えるお力添えをさせて頂く意義を覚える。「道のカフェ」の会場では、元気よく走り回るお子さんや、両手にコーヒーを持ちながら歩くおばあさんの姿が見られ、気がつけば僅か3時間で約400人がカフェにお越しになる大盛況となった。


また、今回は日本を代表する版画刷師の加山智章さん&工房の皆様、画家の津上みゆきさんとの連携で、カフェ空間内に版画工房コーナーを設置した。昨年、自身が東京大学で折に触れて「道のカフェ」の取組を紹介させて頂いていたところ、都市工学でご一緒している東京藝大出身の大木さんが関心をもって下さり、版画工房エディション・ワークスさんとの出会いに繋がった。ブレストを進める中で、地域の皆様が銅板に描いた絵を版画ハガキに刷り上げる企画を着想。現場では見事に、小さなお子さんからおじいさんおばあさんまで銅版画に熱中!「道のカフェ」には、コーヒーの香りとともに文化の香りが漂った。


震災から2年目となるが、今回、気仙沼大島の実地を見るに、やはり津波の爪痕は深く重い。それでもなお、地域の皆様は厳しい現状に対峙しつつ前進していかなければならない状況にある。無論、政治・行政も復興に向けて最前を尽くしていると思うが、そこに全てを期待するのが幻想であることは明らか。住民側にできることは率先してやっていなければ道は拓かれない。だからこそ、地域コミュニティ内の対話の機会が極めて重要となる。そのような機会づくりのためにも、地域の皆様が気軽に足を運べる場として「道のカフェ」が少しでもお役に立てればと思う。そして、道は続く。

道のカフェ@気仙沼大島のプロジェクトチーム

2012-03-22

道のカフェ@気仙沼大島を開きます。


昨年初夏に立ち上げた復興支援プロジェクト「道のカフェ」は、いよいよシーズン4へ。新規フィールドは、気仙沼大島!フェリーで海を渡って「道のカフェ」が上陸。年初から仕込んできた成果が現場でどうなるかは未知のカフェ。Just do it!! 帰国して東北にGo!!

◆道のカフェ@気仙沼大島◆
3/24(土)13:00〜16:00@気仙沼市廻舘114
詳細:「道のカフェ」オフィシャルサイト

2012-03-19

ミステリーハンター@バルセロナ


ヨーロッパでの都市工学的リサーチの最終日は、バルセロナで世界ふしぎ発見的にミステリーハンター。建築と食文化のオムニバス形式で探索を試みた。ガウディのサグラダファミリアは、溢れる観光客の行列でグダグダファミリア。永遠の工事中は外から見守ることにして、ドメニクのサンパウ病院へ。芸術には人を癒す力があるというドメニクの信念が貫かれた建築は、病院としては見事にオーバースペック。結果的に病院機能は停止してオフィス使用に切り替わる計画を聞くにつけ、芸術性と機能性の均衡点に思いを馳せる。サンタ・マリア・ダル・マル教会のミサに参列してアーメン。

急速に意識は食文化のミステリーハンティングに切り替わり、カフェ研究家としては外せないデザート系統をチェック。修道院で受け継がれてきた手作りスイーツが並ぶカフェ「カエルン」では、程好い甘味と上質な紅茶で生きカエルン。勢い余ってバルセロナっ子に愛される甘味処「ラ・パリャレサ」に突撃すると、想像を遥かに超えたチョコラーテの甘さに仰天してレ・ミゼラブル。気を取り直して、カタルーニャのピンチョス探検隊と化す。言うまでもなく、ピンチョスとは一口サイズの気軽なおつまみ。ビールとワインが加わればグッドチョイス。ミステリーハンターの意識は、バルセロナの夜の彼方に昇天していった。

2012-03-18

バルセロナの生鮮市場



オランダからスペインへ約2時間の空の旅。バルセロナに降り立つと雲一つないブルースカイ。カタルーニャの日差しが妙に心地良い。ナチュラルハイで向かう先は、サン・ジュセップ市場。バルセロナで最大規模の生鮮市場と言えばここしかない。朝から活気づく市場には、野菜、果物、肉、魚、乾物などがズラリと並ぶ。バルセロナ市民の台所にして、他国からの旅人にも開かれた魅惑の台所。色鮮やかな食材に魅せられて、つい何度も市場内を周回してしまう。次々と市民や観光客がやって来て、市場の活気は朝からメガマックス。新鮮で多様な食材というのは、古今東西、人の普遍的な関心事なのだろう。

一方、自身の関心事は、観光まちづくりにおいてローカルの生鮮市場がもつポテンシャルにある。すなわち、地域の旬の食材を集約した市場という空間が、外部から人々を呼び込む求心力となる構造。食をフックとして人的トラフィックを生み出し、飲食・宿泊・物販・ツーリズムなどの観光産業に接続させることで、地域経済のエンジンを作るというメカニズムに関心がある。サン・ジュセップ市場は、自身の仮説の検証を進める上で一つの参考となった。但し、最も確実に検証されたのは、エビとムール貝の美味であったことは言うまでもない。搾りたてオレンジジュースに乾杯。

2012-03-17

キンデルダイクに広がる19機の美しき風車


ベルギーから列車でオランダへ。ブリュッセル南駅で特急列車THALYSに乗り込むと、僅か2時間でアムステルダムに到着する。アムスのコーヒーショップや飾り窓ストリートに惹かれつつも、オランダでの研究対象は風車。自身の風の谷構想には必須のアイテム。アムステルダム中央駅向かいのヴィクトリアホテルに荷物を預け、目指すはキンデルダイク。世界遺産に指定された19機の風車が残る小さな村。ロッテルダムを経由して幾つかの町を通過しながらバスで向かう。前の席に座る陽気なオランダ人のお婆さんと世間話をしている間に、バスの車窓から巨大な風車網が忽然と姿を現した。キンデルダイク!

オランダ国内で最大規模と言われるキンデルダイクの風車網は、干拓地の排水を行うために1740年代に建設された歴史をもつ。国土の1/4程度が海面よりも低いオランダにおいて、排水システムは極めて重要なインフラ。とりわけ、13世紀から排水の問題が発生していた当地では、排水に関する苦難の経験から風車が生み出された背景に疑いはない。ただ、その苦難の歴史を想像しつつも、キンデルダイクの地に広がる19機の風車の姿はあまりにも美しい。その美しさは外観だけではない。風車の内側に入ると、木造の歯車が精巧に組み合わさって自然の風力を動力に変換する美しい構造に感服する。自身の風車研究は、文字通り追い風を受けた。

2012-03-16

ブルージュで考える観光まちづくり


ブリュッセルから北西に向かって電車に揺られること約1時間、そこはフランドルの水の都ブルージュ。水路に架かる数々の橋から臨む歴史的な建造物が中世ヨーロッパの姿を想起させる美しき街。北海と水路で結ばれていたブリュージュは、12-13世紀に貿易港として大いに繁栄したが、15世紀には水路の沈泥化で商業の水路が閉ざされて都市機能を失った。結果として、中世の景観をそのまま留めることになり、今では街そのものが歴史的な世界遺産。都市の変遷にも数奇な運命の物語がある。

ブリュージュの街歩きは、タイムスリップした感覚を抱かされるのが興味深い。一方、都市の経営分析という観点から見ると、中世ヨーロッパの面影を残す都市のハードウェアが魅力的な商品となり、これに惹かれて訪ねてくる観光客が落とすお金で地域経済が潤っている。ただ、飲食業・宿泊業・ツーリズム業を主要産業とする観光都市モデルの維持も容易ではない。街ぐるみでハードウェアの魅力を保ち続けなければならない。観光まちづくりには、都市という商品づくりの醍醐味と商品維持の努力の両面を深く考えさせられる。

2012-03-15

歩くブリュッセル調査隊


ブリュッセルの朝を迎えて街歩きを始めると、"Bonjour" "Goeiemorgen" "Morning" と3ヶ国語で話しかけてくれる。フランス語、オランダ語、ドイツ語、英語と、多言語文化圏のベルギーでは、いろいろな言語が飛び交っていて耳に心地よい。朝のスタートはグラン・プラスの一角にあるブラスリー&カフェ「ル・ロワ・デスパーニュ」。久しぶりにフランス語でオーダーしてみる。"Un cafe, s'il vous plait." "D'accord." 目前に広がる大広場の中で朝日を浴びながら飲むコーヒーは格別。きっとこのオープンスペースの空間そのものがコーヒーの味を引き立てるのだろう。朝のグラン・プラスに次々と人がやってきて会話が始まる。今日もここから何かが生まれる予感…。オープンスペースに強い魅力を覚える所以はそこにある。

街歩きの前にブリュッセルの図面を広げてみると、この街の中心部の形は騎士の紋章となっていることが分かる。すなわち、14世紀に築かれた城壁跡となる環状道路が中世の騎士の紋章旗のように五角形をなしており、このインナーリングの内側に殆どの要所が配置されている。その五角形のど真ん中が大広場のグラン・プラス。広場を取り巻く道には歪曲や上り下りがあるのがまた楽しい。自らの足で街の構造を検証していくと、人の生活様式に合わせて都市の様々な要素が絶妙なバランスで配置されていることに気づく。ここには、日本が高度経済成長期に捨て去った「街の調和」がある。日本で多々見られる無機質で残念な都市をリノベーションする妙案は何か。そんな思索を巡らせながら、ベルギービールにノックアウト…

  

2012-03-14

ブリュッセル到着!


デンマークの首都コペンハーゲンを経て、ベルギーの首都ブリュッセルに到着。未知の土地に降り立つと、60兆個の細胞が全開になるのを自ら感じる。旅人の本性の現れか。俄然、テンションが上がる。その美しい市街の表情が、訪れる人々を魅了する都市ブリュッセル。街の中心に位置するグラン・プラスは、ヴィクトール・ユゴーが“世界で最も美しい広場”と称え、ジャン・コクトーが“豊饒なる劇場”と絶賛した大広場。周辺にはヨーロッパならではのカフェやブラスリーが立ち並ぶ。ベルギービール&ベルギーワッフルとともに、都市のオープンスペース研究が幕を開ける。

2012-03-03

学会発表:アカデミックの旅路


東大の本郷キャンパスで開催された計画行政学会で研究発表の機会を頂いた。今回、題目は『復興まちづくりにおいて地域コミュニティから民意を計画行政に反映するオープンスペースの考察 〜被災地にコミュニティカフェを創出する復興支援プロジェクト「道のカフェ」の実践を通じて〜』。当学会の関東支部が推進する若手研究者の発表の場として広く現場の実践事例も歓迎されるという仕立てもあり、自身がプロジェクトの実践を通じて得た仮説に基づく研究企画の提案型発表で臨んだ。ソーシャルデザインワークを推進するにあたり、実践と理論化のツインドライブを高速回転させていきたいとの意図もあり、今回はアカデミックな領域との接続点を探る上で非常に貴重な参考機会となった。

何事も現場で実践されることに意義を見出している自分としては、率直なところ、現場で使えないような机上の研究には面白味を感じない。ただ、実践事例から理論を抽出して普遍化することには強い魅力を感じており、その意味での研究活動は是非深めていきたい。だからこそ、ビジネス最前線で「ファクトベースでの情報分析→示唆抽出→現場実践」を行う戦略コンサル経験から得た学びは非常に大きく、実践現場と研究現場をリンクさせるチャレンジシリーズに着手している次第となる。全くの私見としては、研究分野の報告であろうとも、初めて聞く人が理解できるレベルまでに咀嚼されてこそ実践現場に還元されると思う。学問のトゥクトゥクに乗りながらアカデミックな旅路も楽しんでいきたい。