2012-08-29

ヤンゴンレポート


教育NGOのLearning Across Borders "Myanmar/Burma Program 2012" ヤンゴン編がコンプリートを迎え、続いてマンダレー編に突入した。東大・慶大・早大・台湾大・チュラロンコーン大の学生からなるグループは、非常に刺激的で多くの学びがある。今回、自身はヤンゴン編までの随行スタッフ参画で、マンダレーに飛び立つグループを見送った後にバンコク経由で東京へ。3年ぶり4回目のミャンマー入りによって、変化する現場の実態をリアルに体感できたことは大きな収穫となった。限られた期間ながらも、多様な訪問先での取材を通じてミャンマーの今が浮かび上がったように思う。


ヤンゴンでの主な訪問先は次の通り。国連(UNICEF)、在ミャンマー日本国大使館、ディプロマティックスクール、郊外スラム、ローカルティーショップ、マーケット、新設ショッピングモール、コンビニ、一般民家(典型的住居)、パゴダ、国立博物館、チャイナタウン、海賊版DVDショップ、デザイン系ソーシャルベンチャー、ジャーナリスト、一般市民、他。すなわち、パブリック/ビジネス/ソーシャルセクターを多面的に見ることで、政治・経済・文化などを俯瞰したことになる。僅か1週間弱でこれだけ多様な現場を深く取材できるのは、偏にプログラムディレクターのドワイト・クラークさんの信頼ネットワークによる。


印象に残った変化は、以下7点。1)政府によるメディア検閲の緩和。市民の政治談義も可能となり、ペーパーメディアも成長。2)大型ショッピングモールや近代的ショップの出現。ややタイのバンコク化を想起。3)外国人観光客の増加。明らかに3年前より遭遇率高し。4)自動車数増による交通渋滞の発生。自動車関税の緩和で輸入車購入が進む一方、交通インフラの未整備から市内各地で交通渋滞が発生 。5)自動車周辺ビジネスの活性化。輸入業が大幅に躍進中。6)スラムの拡大。ヤンゴンの都市化の進展の影にスラム化あり。7)Wi-Fiスポットの増加。以前よりネット環境は大幅改善。


総じて、ヤンゴンの変化がスピードアップしているのは間違いない。8年前、4年前、3年前の訪問時の観察と比較すると、明らかに変化のスピードが違う。自分のお気に入りであるミャンマーローカルのティーショップ(人々が気軽に集える大衆向けカフェのようなもの)の周囲にも、近代的なショッピングモールが目につくようになった。率直なところ、街並を無機質化・均質化する変化を見ると、なぜか残念に思ってしまう。ただ、地域の方々に話を聞くと、彼らは近代的な街並への変化を求めている。都市発展のプロセスでは不可避なのだろうか。都市開発のあり方に益々の関心が深まる。

2012-08-26

ミャンマーのスラム潜入


ヤンゴン中心部から車で40分ほど離れたところにある Pan-Hlaing エリアを訪ねると、富裕層と貧民層がフェンスを境に隣り合わせになっている特殊なエリアが出現した。このエリア一帯には、もともと経済的に厳しい境遇に置かれた人々が仮住まいを建てて生活していたのだが、土地が比較的安価だったために丸ごと買い上げられてリゾートのようなレジデンスが誕生。南国リゾートを彷彿とさせる富裕層エリアには、大使館関係者をはじめとして社会的に高い地位をもつ人々が生活している。一方、もともと居住していた貧民層は追い出され、買い上げられた土地のすぐ脇に移動。結果として、フェンス1枚を境に、こちらは富裕層、あちらは貧民層という状況が生まれたようだ。



レジデンスの駐車場に車を停めて、ミャンマーの友人たちとともにフェンスをまたぐと、忽然と貧民層のスラムが現れた。なんとも不自然なコントラスト。しかしながら、スラムに生活する人々の顔つきには人間が本来もつ生命力が宿っていた。富裕層のレジデンスを颯爽と歩く人々の顔つきと比べると、スラムの人々には“人間的な”何かを強く感じる。ただ、当然ながら、スラム内の衛生状態は芳しくない。ゴミ、汚水、家畜臭… 雨期のミャンマーにあっては、衛生上、様々な問題の表出が容易に想像できる。そして、スコールのような雨が降り出した。すぐに大きな水たまりができあがると、子どもたちが水たまりに飛び込んで遊び出す。


このようなスラムは、ヤンゴンだけでも既に多数存在しているという。急激な変化が進むミャンマーの都市のあちらこちらには、職を求めて都市部に出てきたものの住居がない人たちが寄り添って生活するスラムが影を潜めている。今後、ミャンマーに進出する外資系企業が増加するに伴って都市部に移住する人々の数も膨れ上がり、スラムに生活するという選択をとらざるを得ない人々も増えることが予想される。どのような視座に立つかによって、この状況の捉え方は変わるだろう。ただ、一つ言えることは、スラムに住む人々もまた、変わりゆく社会の一部を担う構成員であるということかもしれない。

2012-08-25

アメージングパゴダ 〜その後光の向こうに〜


ヤンゴンのシンボルと言えば、シュエダゴン・パゴダ。市内のどこからでも目に入るゴールデン・ストゥーパ。神聖な空気が漂う夜は、ひときわ趣深い。3年ぶり4回目の対面となるシュエダゴン・パゴダは、変化を遂げる都市とは裏腹に、以前と変わらぬ荘厳な面持ちを湛えていた。静寂の中に人々は祈りを捧げ、おびただしい数の仏陀たちが彼らを包み込む。そして、後光の電飾が輝きを増した。電飾仏陀。明るいナショナルの如く、後光の電飾は人々の心を照らすのかもしれない。今宵もまた電飾が眩しい。

2012-08-24

ミャンマーの都市交通


3年ぶり4度目のミャンマー入りを果たし、ヤンゴン滞在がスタート。昨今の急激な変化がメディアで報じられるなか、実際、ヤンゴン市内のリアルな現状はどうなのか? 急成長する都市の変化に強い関心をもったことから、ハードとソフトの両面から“ミャンマーの今”を浮き彫りにしたいと考えた。常に最新の情報は現場にある。だからこそ、メディアに先んじて現場を渡り歩くことに強いエキサイトメントを覚える。


ヤンゴン市内を巡って最初に気づくのは、都市のフィジカル面での変化。明らかに、都市を走る自動車の台数が急激に増加している。それも、中古車だけではなく新車も多く見られ、やはりTOYOTAが圧倒的多数を占める。取材しながら現場を回ると、輸入関税が大幅に引き下げられ(そうは言っても100%以上の関税はかかる)、Upper Class /  Middle-Upper Class の人々の新車購入が促進されているということが分かった。


一方、道路というインフラの整備は進んでいない。結果として引き起こされるのは「交通渋滞」。この雨期のミャンマーにあっては、雨が降ったときの交通渋滞はひどい。このまま自動車の台数が増え続けると、都市の交通麻痺は深刻な問題になることが容易に想像できる。政府も道路整備に割ける予算がないため非常に危うい。都市計画はすっぽり抜け落ちている様子が窺える。生きた情報が次々と垣間みれて実に面白い。



2012-08-23

ミャンマープログラム2012始動!


タイ・バンコクに到着。今年も教育NGOのLearning Across Bordersによる "Burma Program 2012" が幕を開けた。アジアの大学生を対象にミャンマーの現状を学ぶ現地現場型スタディープログラム。NGO代表のドワイト・クラークさんと一緒に企画・運営に携わって11年目、何年経っても現場が新鮮で楽しすぎて、気がつくと毎シーズン現場に来ている自分に気づく。1年に3タイプのスタディープログラムを企画・運営しており、毎年夏に開催するこの "Burma Program" の現場随行は3年ぶり。激動のミャンマーをリアルに体感するには絶好のタイミングでもある。

今日・初日はタイ・バンコクからスタート。メンバー28名で早朝のオープニングセッションを経ると、FCCT(タイ外国人記者クラブ)にてジャーナリストを招聘したブリーフィングが続いた。ミャンマーに精通したジャーナリストとして著名な元・BBC記者の Larry Jagan 氏に加え、"Finding George Orwell in Burma" の著者として名高い Emma Larkin 氏からミャンマーの現状について伺う。2人の話を総括すると、国民が政治について議論することが名実ともに可能になってきている様子が窺える。果たして実際の現場はどうか。明日からのヤンゴン入りで検証する。



2012-08-21

TV-CMナレーション最新作:DNSパワーゼリー


TV-CMナレーション最新作のご案内。トップアスリートが愛飲するスポーツサプリメントブランド『DNS』からゼリー飲料「DNSパワーゼリー」新発売に伴い、ダルビッシュ選手を起用したTV-CMが放映スタート。CMナレーターとして本作のCMナレーションを担当させて頂き、今日から9月末まで民放各局(日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ東京、BS朝日)で放映。Webでも視聴可(→CMを見る


今回、新発売となった「DNSパワーゼリー」は、全国のコンビニエンスストアで大々的に
展開。社会人の朝食や間食、部活生の運動前後の補食としての登場となる。自分も今日はローソンでパワーゼリーを発見して購入。明日を変えるニュートリション!振り返ると、12年前の『DNS』立ち上げ期にクリエイティブ・ディレクションで参画させて頂いていたことから、今もなおこのような形で『DNS』にご縁を頂けることは本当にうれしい。

スタジオでのTV-CMナレーション収録

2012-08-07

日経ビジネスオンライン掲載記事

日経ビジネスオンライン「震災支援活動は終わらせない!〜熱き心人がつなぐ絆」にて、編集/ライターの皆様方がご丁寧に取材下さり、私自身の復興支援の取り組みについてご紹介をいただいた。3.11後、なぜ私が復興支援プロジェクト「道のカフェ」を立ち上げるに至ったかをヒストリー形式でまとめて下さった記事。

立ち上げから2年目に入った「道のカフェ」は、スターバックス、キヤノン、松下政経塾の連携を得た復興支援プロジェクトで、「カフェづくりを通じたコミュニティ再生支援」と「カフェ開催を通じて把握する被災地の情報発信」を目的とする。少しでも地域の皆様方のお役に立てば幸いに思う。

様々な人々が復興支援に携わる中で、もうすぐ震災から1年半が経とうとしている。点と点がつながって線となり、それが面的展開となることを切に願う。右脳的に行動するだけでは場当たり的となる。左脳的に考えるだけでは現場と乖離する。右脳と左脳のツインドライブで、サステイナブルな復興支援の一翼を担えればと思う。

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2012-08-05

石巻市雄勝町で「道のカフェ」を開きます。


カフェづくりを通じて被災地のコミュニティ再生を支援する復興支援プロジェクト「道のカフェ」は2年目の夏へ。この度のシーズン5は、8/11に石巻市雄勝町での夏開催を決定。花火まつりの日に合わせた開催で、お盆に帰省された皆様が集まることのできるコミュニティカフェの誕生を目指す。

今回は、スターバックス号の出動とともに、キヤノンのフォトプリントコーナーも設置予定。まつりの笑顔を写真に収めて地域の皆様にプレゼント。コーヒーとともに写真を見ながら、夏の風物詩を彩る素敵なひとときをお過ごしいただけるよう、最終調整に向けて準備を進めている。真夏の「道のカフェ」開催はまもなく!

 道のカフェ@石巻市雄勝町
【日程】8月11日(土)15:00〜19:00
【場所】雄勝町 旧雄勝総合支所周辺
【詳細】www.michinocafe.com

2012-08-02

JFN: 吉岡秀人さんとの対談


入道雲を見上げて夏を感じながら昼過ぎに半蔵門のスタジオに到着し、8月後半に全国30のFM局で放送されるJFN "ON THE WAY ジャーナル WEEKEND”の対談パーソナリティとして番組を収録。今回のゲストは、『情熱大陸』などでも大きな反響を呼んだ小児外科医でNPOジャパンハート代表の吉岡秀人さん。“医療の届かないところに医療を届ける”を理念としてNPOジャパンハートを2004年に設立し、ミャンマーやカンボジアなど途上国の子どもたちを救う海外医療活動を展開されている。講談社から『命を燃やせ いま、世界はあなたの勇気を待っている』を出版するなど、社会に向けて熱いメッセージを送る吉岡さんにお話を伺った。

奇遇にも、自分も教育NGOの活動で2004年からミャンマー訪問を繰り返しており、今月下旬にもミャンマー訪問を予定していることから、吉岡さんとミャンマーの話題で盛り上がった。お話の中で印象に残っているのは、吉岡さんの“自己に素直な姿勢”。NPOを立ち上げて海外医療活動を展開される出発点として、「まずは自分がやりたいと思ったからやっている」という自然でありながら熱い姿勢に強く共感した。人のために、国のために…と活動される方々も勿論素晴らしいのだが、自分がやりたいと思うからやるというのは非常にパワフルでサステイナブルなように思う。吉岡さんの「感性で選択する」という言葉が印象的だった。