Vision

◆風の谷構想 〜人と自然の潜在性を引き出す社会モデルの構築〜


人と自然の潜在性を引き出す社会モデルの創造を目指す「風の谷構想」。実体験に基づいて10歳の頃に着想した、遊び心オリエンテッドの構想。無論、この構想名は『風の谷のナウシカ』にちなむ。幼少の頃、古き良き田舎の小さな学校でクラスの幹事役を何度もさせてもらった経験から“人の持ち味を活かす”ことに関心をもち、地域の美しい自然資源を台無しにするような無機質な街づくりに強い疑問を覚えた経験から“自然の持ち味を活かす”ことに関心をもっていた。そんなときにインスピレーションを与えてくれたのがナウシカだった。映画に描かれていた風の谷に「人も自然も等しく愛し、その良さを引き出し、お互いをリスペクトして生きる社会」を見出し、自身の想いは“人と自然の潜在性を引き出す社会をつくりたい”というビジョンに結実。さらに、風の谷と自身の故郷との間に様々な共通点を見出したことから、このビジョンを「風の谷構想」と命名した。

幼少ながらにイメージしたのは、人も自然(動物・植物・鉱物)も全ての潜在性を引き出すような社会。その持てる潜在性とは、天から分け与えられた贈り物(Gift)―すなわち「天分」と呼ぶに相応しいとの認識から、自身のビジョンを「天分を発見して活かす社会の創造」と表現するようになった。では、人も自然も天分というべき潜在性を引き出されたときに何が起こるのか。端的には、静と動を合わせもつエキサイトメントで満たされると言える。自分が理屈抜きに何かに熱中しているような状況に限りなく近い。内側から沸き出るエネルギーの全面開放が起こり、瑞々しい充実感がもたらされる。その充実感は他者に対するリスペクトを促進し、全体としての調和を生み出す。さらに、この調和のあり方によって無限の形の創造性が具現化され、世界に無数の交響曲が奏でられると思う。

持てる潜在性を最大限に引き出す「風の谷」の実現は、社会のあらゆる分野をホリスティックに再構築する社会変革そのものとなる。教育・経済・環境・エネルギー・医療・食糧など、全ての分野について風の谷のビジョンに基づいた再定義を行い、実践するという壮大な構想。ただ、その具現化は遠い先の話ではない。潜在性を引き出すという理念に基づいた「風の谷」が具現化され、その普遍的なメソドロジーが体系化されたとき、そのビジョンに共通する要素をもつ地域が次々と出現してくると直感する。そして、そこで生まれる風の谷の“同盟国”がある規模の臨界点に達したとき、加速度的な社会変革のトリガーが引かれると思う。そんな自身の願いと遊び心を吸収しながらアップデートを重ねてきた「風の谷構想」は、地域→国→世界への拡大展開を見据えたシナリオとして具体化が進められている。


◆プロフェッショナルツールとともに構想具現化の着手へ


幼少の頃の具体的な経験を通じて、10歳の頃に着想に至った「風の谷構想」。どうすれば構想を楽しく実現できるだろうかと思案するなか、子どもながらに想定したのは「幅広い経験をして、実践的な能力・資質の鍛錬を経て、構想の具現化に着手する」という基本的なブループリントだった。当時の言葉で表現すれば、「何でも経験してみて、ちゃんと技を身につけて、思いっきりやってみよう」というニュアンスだったと思う。結果的に、その基本方針は変わることなく、確かなコンパスとして自分を導き続けた。

多感な中高時代を過ごしながら、構想に着手している将来の自分の姿をイメージしていると、次第に必要とされるスキルが幾つか浮かび上がってきた。様々な分野のプロジェクトを立ち上げて遂行していくためのスキル、様々な視点を社会に啓発していくためのスキル、具体的な取組を広く人々に伝えていくためのスキル。これが、経営×教育×メディアの3領域を横断しながらスキルを修得するという動き方のベースになった。大学入学時から干支でいう1周期にあたる12年間をトレーニング期間に位置づけて鍛錬した。

2009年度をもって当初予定の鍛錬を完了し、2010年度から構想の具現化に着手するフェーズに突入。過去12年間で修得してきたスキルを“プロフェッショナルツール”として、実際にビジョンを形にする活動へ。ここからは、「都市デザイン、都市マネジメント、都市計画」といったフィールドに踏み込むことになる。2010-2012年はトランジション期間になるが、“人生三部作”とも言うべき3つのフェーズから構成される風の谷構想の具現化に向けて、地域→国→世界の変革に繋げていきたいと考えている。